Vol.012 2003.02.21 ON AIR |
| BLUES MAN:Charley Patton
O.A曲名:High Water Everywhare
from CD:Complete Record Works
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えー、「ムーンドッグアワー」を聞いてるみんな、原島、小杉、3時だぜ〜。えー何かちょっとね、変わった出方しようかと、ちょっともう10何回やっているとね、考えたんですけどね、「(高音で)ムーンドッグアワーを聞いてるみんな〜」とかいろいろ考えたんですけど、まあ、姑息になるんでやめました(笑)通常通り出ました。えー、今夜も始まりました、「(また高音で)この時間は〜」あっ違いますね(笑)この時間は、私、仲井戸“CHABO”麗市がお送りする、深夜3時のBLUESプログラム、仲井戸“CHABO”麗市『THREE O'CLOK BLUES』をお送りします。「(またまた高音で)原島、小杉、元気ぃ〜」みたいな。なんかちょっとパターン変えようと思ったんですけどダメですね。もうこの番組もお馴染みになりまして、きっと学校や職場で「聞いてるか先週の、やっぱりスゲエな〜あの番組」って噂持ちきりだと思うけど、「(またまた高音で)みんな聞いてるう〜」先々週は…まだ言ってますね、スピード違反で捕まって、まだちょっと尾を引いてます(笑)まださっき捕まったような。それから先週はバレンタインデーでしたね。なんか一週間経つのあっという間っていうかね、年齢…ま、俺の年齢関係あるのかもしれないけど、みんなはどうだろうなあ? なんかまだ先週チョコレートどうのこうの、お前もらったかとか話して、さっきまでそんな話していたような、そんな気になっちゃうんだよ。
それで今日はね、スタッフがちょっとメモしてくれたんだよ、何? 2月21日だけど、もう明けているから22日か正確には。だけど昨日は何? “世界友情の日”っていう日だったんだって。何これ? 俺知らない。“世界友情の日”っていう…何かいろんな日があるよねえ、ま、とてもいいことだと思うんだけど、いろんな日にするっていうのはさ。その時に今日はこういう日だからこういう気持ちになろうかな?っていうことを、何かヒントとしていいよね。だけど何だろうね“世界友情の日”っていうのは。「友情みたいなことをみんな改めて考えましょうよ」とか、そういう日なのかなあ? みんなどうだろうねえ? ま、言われなくても友情なんていうのは生まれたりするだろうし、ダメなのは壊れたりするしね。ま、そんなことをフッと思う日があってもいいのかってことかねえ。どうしてその、じゃあ2月22日なんだっていうのは、ちょっと後でスタッフと検討してみたいですね(笑)えー、という訳で“友情の日”だからBLUESを選ぼうっていう視点は全く無く、今日、選んで来ました。今日の選んだの、皆さん楽しみに聞いてください(笑)
という訳で今日は相〜当古いのを持って来ました。さっきディレクターの松葉君とすっごいことを発見してしまったんですけど、今日かける人は前世紀の人、つまり20世紀の人じゃないんですね、前々世紀! なあんと、つまり今、もう21世紀になっちゃった訳で、俺たちが一番馴染んでいるのは、やっぱり20世紀っていう世紀だもんね。おっ!もう一個前です19世紀! どう? 地球はあったのか? あったって。とにかく古い、チャーリー・パットンっていう人です。この番組の一番最初、記念すべき第一週にかけたのが、確かロバート・ジョンソンでしたね。この人は本当にB.B.KINGさんやアルバート・キング、フレディ・キング、ジミ・ヘンドリクス、ジェフ・ベック、エリック・クラプトンさん…とにかくそういった、そん中の端っこに俺たちも含めて、全部の大元にあるのがロバート・ジョンソンさんだから、この番組、こういうBLUES番組始めたから最初にまずロバート・ジョンソンさんを聞いてくださいなんていうんで、ロバート・ジョンソンを最初かけたけど、なんと今日の人は、そのロバート・ジョンソンさんよりもっと前からやっていたような人なんですねえ、チャーリー・パットンさん。
ここに資料にちょっとメモしてあるのは、1889年生まれみたいですね。ま、このぐらいになっちゃうと生まれも正確じゃなくて、いろんな諸説があって必ずしもこれが正確な日じゃないみたいだけど。1891年っていう説と両方あるんだって、1889年と。ま、一つ二つじゃなくて、もっと…きっといろんな説があるんだろうけど。なんかね、この人がね、その…ま、BLUESの大元、ロバート・ジョンソンもそうだったけど、メンフィスっていうアメリカの都市から車でどのくらいかなあ?1時間半ぐらいかな行ったところにある地域だね、デルタ…デルタブルースなんていう、つまり言い方があるけども、元々のBLUESがアメリカ南部で生まれた様な地域だね。その中の…しかもね、つまり綿花畑とか沢山ある様な地域だよね、そこでBLUESが生まれたなんて良く言われている訳だけども。その…プランテーション、農園とかがつまり沢山あった訳だよねえ、その中にドッカリーファームっていう農園があるんだよ。で、そのドッカリーファームっていうとこで、このチャーリー・パットンさんはどうも唄っていたという。つまり、その小作人としてそこの人に雇われて日々綿花畑を耕してた訳だね。その中にこういう人が出て来て、ギター持って唄える人が出て来て…で、やがて土曜の夜とか、やっぱり仕事終わって明日休みだぜみたいな時に、パーティーじゃないけどダンスしたりとか、今みたいにカラオケがある訳じゃないし、いろんなゲームセンターがある訳じゃないし。だからやっぱり遊ぶとなるとダンスしたりとかね、ダンスなんて何も無くたって踊れるわけだから。そんな中できっと…CDやMDなんか無い訳だから、きっとギターなんか…ギターなんていうのはきっと、なんか針金を壁に貼ったりしてね、一本の弦で(♪ギターを弾く)なんかこうやったりすることが、だんだんギターなんかにつながって行ったみたいなんだけど。なんかやっぱり楽器も何処かから流れて来て、見っけて唄えるような人がBLUESみたいのを広めていったって、そんなことだろうと思うんだけど、そんな人だねえ。
で、俺はそのドッカリーファーム…今やここはもう、何て言うのかな、BLUESの聖地みたいになってて、ここに写真があるんだけど、ちょっとまあ、掘っ建て小屋みたいなとこに『ドッカリーファーム1895年』って書いてあって、ここがBLUESの今、厳密にはそことは限定出来ないんだけど、多分、今日かけるチャーリー・パットンさんみたいな人が唄ってて、そこがおそらくBLUESの発祥の地ではないか、って言われているんだよね。だからある種の記念の場所っていうか。で、俺みたいなBLUES好きだった小僧とか、きっともしかしたらイギリスのレッド・ツッエペリンの人たちとかクラプトンさんとかストーンズの連中とか、きっとここ訪ねているかも知れないね。訪ねてなくてもきっと小さい頃、若い頃、本の中で読んだりとか、そういう場所なんだよね。1993年に俺は訪ねて行きました。行けども行けども無いんだよねー、もう原っぱばっかで。「もうなくなっちゃったのかなあ」なんて思って、探して探して夕暮れにやっと見っけたんだ。ただの掘っ建て小屋だね、ポコーンと草原に建っている。でもそこのそばに行くとなんか神聖な気分になっちゃうんだよね、やっぱり。「ここでBLUESが生まれたのかなあ」なんて。そういう気分にさせてもらいました。そんなことで生まれた音楽をちょっと聞いてください。この人はすごいエンターテイナーだったみたいね、ギターを背中で弾いちゃうとか。そういうことがジミヘンにもしかしたら受け継がれているのかもしれない、もしか今のプリンスに、それがつながっているのかもしれない、っていう訳で、本当に大元にいたデルタブルースの最初の人です。チャーリー・パットンの、今日は…彼はいろんな身近な、日記風に、テーマを唄にしました。1920年代ぐらいにね、ミシシッピー川が大氾濫があったんだって。その辺が全部水に埋まっちゃったような、とても大変だった事件らしいけど、その時にこんな唄を彼はかいてます。これは彼の代表作なんだけど、ものすごい(笑)CDの音です。そんな音も当時の時代の匂いをみんな感じとってみてくれよ。「High Water Everywhare」、“高い水がそこいらじゅうに溢れた”っていう唄かな。今日はじゃあ、BLUESの最先端…もっとも先っぽに居るチャーリー・パットンさんという人の曲を聞いてください。また来週、会いましょう。 |
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