Vol.009 2003.01.31 ON AIR
BLUES MAN:Magic Sam
O.A曲名:I just can't please me
from CD:Magic Touch
はーい、「ムーンドッグアワー」を聞いてるみんな、原島、小杉、元気かーい。もうお馴染みになってきましたね、この出だしが。今夜も始まりました、寝ている奴、起きろー! えーこの時間は、私、仲井戸“CHABO”麗市がお送りする、深夜3時のBLUESプログラム、仲井戸“CHABO”麗市『THREE O'CLOCK BLUES』をお送りします!っていう訳ですね。俺は最も得意な時間帯ですからね、もう…今からが自分の人生みたいな、一日の中で。ソレ変わってんのかな? やっぱり。でも、これ聞いてる人はきっと、夜中強い人だもんね。原島、寝るなよーお前、小杉さん、起きてる〜みたいな。えー、今回9回目ですね。一週間に1アーティスト選んで一曲かけるという、今…しばらく紹介してなかったけど、ここんとこ。今、テーマかかってんのが、偉大なB.B.KINGさんの、その名も「THREE O'CLOCK BLUES」っていう彼の昔のヒット曲ですね。ヒット曲と言ってもBLUESですから知れてますね。えー、宇多田ヒカルさんのようにヒットはしてません(笑)でもBLUESん中じゃ大ヒットした曲だった訳ですね「THREE O'CLOCK BLUES」。これ、もうこの番組の為にあるような曲ですねえ…という訳です。

まあ、寒いねえ〜。ちょっと、スタジオの中は暖ったかいんで、そうは言っても寒いんだか暖ったかいんだか、ちょっとあの…断言出来ない心境でもあるんですけどね。みんなどんな部屋で…えー、暖ったかい部屋にいるのかな? みんな。彼女とイチャイチャしながら聞いている奴とかいないだろうな、それもBLUESっぽくないから。BLUES、そんなイチャついて聞くなよ、みたいな。山下達郎じゃないんだから俺はみたいな(笑)そんなこと言っちゃいけない、達郎君、俺、仲良いですけどね、みたいな。どんな状況で聞いているのかな? みんななあ。えー、という訳で今週選んだ人、さっそく行っちゃいますけども。これもなかなかねー(笑)BLUES自体が毎回言うように、なかなかオーバー・グラウンドの分野じゃないですけど、その中でもなかなかマニアックですね。実はこれはディレクターの青年、松葉君が「今週はCHABOさん、彼でしょう〜」みたいな感じですね。何人か候補を出して松葉がどう出るか、俺ちょっと見てみたかった、ちょっと試してみたんです。なかなか使える奴だなと思いましたね(笑)っていう訳で、ワタクシ達が選んだのはマジック・サムという人ですねえ。「おっ、マジック・サムかよ!」なんて言った奴は相当BLUEに精通してますね。

マジック・サムっていう人は若くして亡くなった人で、先週かけた、あの…ジャンプする爺ちゃん、ゲイトマウス・ブラウンは、もう80近いのに現役でバリバリやってますね。えー、その人とはやっぱりちょっと裏腹な人というか、33ぐらいで亡くなったんじゃないかな? えー、ちょっと自分でメモしてきたアレでは…1937年生まれか。で、(19)69年に亡くなってるのね、だから33かな? お墓には(19)36年って書いてあるけど、一般には(19)37年生まって言われてんだけど。まあとにかく、32、3歳で亡くなってんのね。で、俺、彼は20歳時代かな、やっぱり。本当に良く聴いたんです。それは「WEST SIDE SOUL」っていう彼の名盤とされているアルバムがあるんだけど、それを…何で出会ったのかなあ? もともとはシカゴ・ブルースのオムニバスで出会って「マジック・サムっていいなあ〜」って思って彼の単独のアルバムを探したら「WEST SIDE SOUL」ってアルバムだったんだけど。なんかBLUESなんだけど、ちょっとR&Bのタッチがあったりとか、そういうとこでちょっと違う匂いを感じて俺は好きになったと思うんだけど。

もうちょっとマニアックな話をすると…、つまりここでよくかけている、今のテーマの「THREE O'CLOCK BLUES」のB.B.KINGとか…(♪ギターを弾く)こういうなんか…シングルトーンってギターのね、単音でやるっていうか。B.B.KINGっていうのはビッグバンドが後ろにいて、ピアノやラッパとかがいたり、わりと大きなサウンドの中で演るから、唄う時はギター、例えば弾かなくてもいいんだよね、もう一人ギターいるからさ。で、自分が入れたい時に、♪Wake up this morning〜 なんかコール&レスポンスでギター入れるとか、そういう間奏になったら弾くとか、そういうタイプだよね。で、これはタイプの違いなんだけど、今で言えば、例えばエリック・クラプトンさんなんかも、どっちかって言うとそういう系統なんだよね。で、例えば何だろうな…ジミ・ヘン。ジミ・ヘンとかスティーヴィン・レイボーンなんていうのもいるけど、彼らはリズムギターを弾くんだよね、つまり。ちょっと細かい(笑)専門的になっているけど、こう…(♪ギターを弾く)リズムギターを弾きながら唄を唄って、間奏はこう弾くと…。そういうタイプからするとマジック・サムってのは、その…なんか先端にいたような、つまり(♪ギターを弾く)こう、サウンドを作れる、♪ララララララ、ララララララ〜 リードとか演りながらっていう…そういうとこで、俺はものすごい魅力を感じたんだよ。つまり俺は社交性が無いから、あんまり多くの人とは出来ないっていう、20歳くらいの発想で。もっと言えば、ロバート・ジョンソンみたいな一人で演るBLUES MANへの憧れがあったんだけど。BAND組むんでも3人か4人だろうみたいな、3人が一番いいな、トリオとかね。そうすると自分でサイドギターも弾かなきゃなんない…というようなところからすると、このマジック・サムって人のサウンドはとても参考になったんです。それ、今だに俺、難しくてなかなか出来ないけど、そういうなんか…細かく言っちゃうと、そういうところの魅力がとてもある人ですねギターに関して言えば。それから唄も、とてもなんか、独特のトーンがある人です、マイナーブルース演ったりね。

そんなマジック・サムがね、日本のBLUES好きの中で、ちょっとしたブームになってるんだね。ディレクターの松葉君なんか「今、某タワーレコードに行くとマジック・サムのコーナーがありますよ」って言うぐらい。プリンスのコーナー、レニー・クラヴィッツのコーナーならわかるけど、マジック・サムのコーナーがあるっていう、これは日本も捨てたもんじゃないなあ。つまりそれはね、最近マジック・サムの音源が発見されたんです。彼は活動したのは、ほんと6、7年なんだけど、その中で埋もれていたテープが発見されたんだよね。プライベートの音源だから音は悪いんだけど、めちゃくちゃ貴重です。彼のライブ・アルバム、2枚組「MAGIC SAM LIVE」っていうのは、これは俺、もう若い時聴きまくった、BLUES界史上の名盤と言われているライブだけど、それに匹敵するような貴重な音源が出たんだよ。そんなことからもマジック・サムはちょっとした話題になってます。そんな訳で今日、俺とディレクターの松葉君がマジック・サムを選んだんです。みんな、レコード屋さん行くとね、マジック・サム、今選び易いからね、聴いてよ。すごくサウンド、カッコイイです。えー、そんな訳で、今日はマジック・サム、聴いてください。この人、生きていたらどんなサウンド作ったかなあ? 結構お酒も飲んだらしいね。でもすごく明るい奴だったんだって。オーティス・ラッシュさんっていう、今も現役でやっている人の友だちで、よくつるんでシカゴの街を遊んでたらしいけど。いっつも元気でね、陽気でね、すごく温ったかい人柄でね、みんなに好かれていたんだって。心臓発作で若くして亡くなりました。じゃあ、マジック・サムが残した…、今日かけるのはね、その発見された貴重な音源にも入ってないという、このアルバムはもう廃盤になっちゃったみたい。その中の曲をぜひ聴いてください。「I just can't please you」っていうので、マジック・サム。また来週ね〜。



Back to [ "THREE O'CLOCK BLUES"INDEX ] [ "BLUES ETC." INDEX ]