はーい、「ムーンドッグアワー」をお聞きの皆さん、原島、小杉、元気かー。えー、先週から始まったこの時間は私、仲井戸“CHABO”麗市がお送りする深夜3時、夜明け前のBLUESプログラム、仲井戸“CHABO”麗市『THREE O'CLOCK BLUES』をお送りします、という訳ですね。早いですねえ、先週から始まったんだけど、本当に一週間経った気が全然しないですね、さっきやっていたような、それだけ時間が経つのは早い訳ですねえ(笑)あっという間ですね。という訳で先週から始まりました『THREE O'CLOCK BLUES』、BLUESを毎週一曲、一人アーティストを選んで一曲かけていこうという画期的な番組ですね、今どきBLUESなんてあんまりラジオから流れないから、ぜひ流してくれみたいな発想で始まったんですけど、ま、先週はそう言う訳で、第一回目ということで、それじゃなくても私は小学校の通信簿に“お前は落ち着きがない、落ち着きがない”と、ずっと先公に言われた奴なんですね(笑)ですからもう先週はプレッシャーも両方で全然落ち着かなくて、聴いてくれてた人いたかなあ? 全然、なんかこう…ワサワサしちゃったんだけど、ま、2週目に入ったし、だんだん番組に慣れていくと思うんで、ぜひ聴いてねー。起きている奴いるんだろうな、だいたい、俺喋ってんだけど、みんな寝てて聴いてないっつったら寂しいから「起きろー、おまえ!」みたいな(笑)えー、原島と小杉聴いちゃったら「もう3時からいいや」なんて寝るんじゃねえぞみたいな。でも聴いている人は起きてんだもんねー、友だちとかに電話して起こしてやってくれ「いい番組始まってるぞー、おまえ」みたいな。
いいですねえ、この…だいたいこのテーマソング、これ、B.B.KINGって人の『THREE O'CLOCK BLUES』、そのままですねえ、これにのって喋っている自分がなんか、いいですー、自分で感心してばっかりしててもしょうがないんだけど。もう、ほんと寒くなったけど、クリスマスも近いしね、だいたいそれで、この時期っていうのは、あの、BLUESとかってやっぱり似合うよねえ、俺はそう思っているんだけど、夏ももちろん、夏の炎天下のBLUESもなんかいいんだけど…、なんかねえ、こう、BLUESとかね、リズム&ブルースみたいな分野もあるけど、なんか、ソウル音楽とかね、なんか俺、昔からね、ティーンエイジャーの頃からね、ストーブ…、ストーブって言い方自体がそうとう古いですけども(笑)あたりながらねえ、ま、こたつ…ってイメージはちょっと演歌っぽくなっちゃうんだけどさ(笑)あの、ストーブとかあたって、ちょっと、コーヒー飲みながらのね、シチュエーションって、こういうBLUESがとても似合うよね、なんか。俺はね、ハタチ時代、20歳台に一番BLUESの音楽を聴いたんだよね。お金もあんまりなかったから、古レコード屋とか、たくさん廻って「今日はあのレコード買おう」とか。それを、古レコードで安いの買って来て、ストーブにあたりながら、コーヒーを飲みながら、ひと晩じゅう大好きなBLUES MANを聴いてたっていう、なんか、シチュエーションを思い出します。あ、なんか今自分で、グッと来ちゃいましたね、自分の喋っていること自体に。いいですね(笑)なんか、このテーマにのって喋ると普段の自分じゃない、なんか…こう、ゆったりした自分になって来れてますね。二週目はだいぶ、ちょっと慣れてきましたね。
さあ、今日はどんなBLUES MANが出て来るでしょうねー、ま、本当に先週も言ったけど、ひと口にBLUESって言っても〈♪ギターを弾く〉カントリーブルースっていう分野でね、一人で素朴に演るBLUESもあるし、〈♪ギターを弾く〉バンドでみんなで演るシカゴブルースなんていうスタイルもあるんだけど、あんまり、そのBLUESの、学術的に分析してもしょうがないんで、思い付くままに選ぼうと思っているんだけど。今日はですね、今夜は…、先週はロバート・ジョンソンっていう、ローリング・ストーンズとかエリック・クラプトンさんとか、そういう人の大元にいる人、ロバート・ジョンソン、もしかしたらBLUES音楽の最も最初にいるような人、その前にはチャーリー・パットンなんて人とか、もっといるんだけど、代表として先週はロバート・ジョンソンって人をかけたんだけど。今週はねえ、順当に行けばね、なんか、マディ・ウォーターズさんとかね、そういう人にいくんだけど、そういう意味じゃちょっと意外というか…これはね、俺というよりもむしろ一緒この番組をやっている青年、ディレクターの青年が「チャボさーん、2週目、これいきましょうよお〜」みたいな(笑)半分脅かされて、今週、これ選んだんだけど、ハウリン・ウルフって人なんだよね。
BLUES、知っている人は、「おお、ハウリンか、なかなか渋いじゃないか、やっぱりチャボの番組」なんて思ってくれるかもしれないけど、えー、知らない人は「何、それ?」みたいな。ハウリン・ウルフってすごいね、“吠える狼”ってくらいだもんね。つまりBLUES MANっていうのは、そういう愛称を付けたりするのがとても多いんだよね。ライトニング・ホプキンスなんていう人、それは何?“稲妻”、“稲光り”みたいな、それからスリムなんとかとかさ、身体の特徴を名前に持ち込むとかね、ホワッツ・ドミノなんて、“ホワッツなんとか”とかさ、俺も憧れて、なんか、仲井戸“BIG-BOY CHABO”とか、そういうミドルネームみたいなの付けたことあるけど、つまりそういう愛称で親しまれていたハウリン・ウルフ、本名はバスター・ベネットとか、そんな名前だったと思うけどね。アメリカのミシシッピー州ルービルに生まれたって資料に書いてあるんだけど、1910年生まれだね、もう…一世紀前ですねー、亡くなったのは1976年って書いてありますね、つまりこれは、先週もそうだったけど、ロバート・ジョンソンさん、つまりローリング・ストーンズのミックやキースが子供の頃、聴いた人だね、ハウリン・ウルフって、きっと沢山。それから、この番組のディレククターの彼はレッド・ツッエペリンとか大好きだったみたいで、ジミー・ペイジさんとかね、今、現役でももちろんバリバリやっているジェフ・ベックさんとか、ギタリストの。ああいう人たちがきっと子供の頃、沢山聴いた人なんだよね。だから、この番組を聴いているバンドやっている奴なんか、ジェフ・ベックフリークなんかいるかもしれないけど、ジェフっていうのは、こんな人を若い頃聴いていたっていうんで、ぜひ、聴いてみてよ。ハウリン・ウルフっていうくらいで、その、“狼”って愛称だから、すっごいの。なんせ聴いてもらえばわかるけど、ヴォーカルが“ウオォォ〜”みたいな、唸っているようなやつなんだよ。顔もスゴイです、写真もいまね、沢山ね、BLUES MANの写真も沢山あるからね、顔もね、“狼”じゃないけどね(笑)迫力あります。なんか、ハウリン・ウルフを昔撮ったカメラマンの人がね、怒られたらしいんです、ハウリンを撮った時に。「そんな恐そうな俺を撮んないでくれ」って、「ステージで俺は狼みたいに叫ぶけど、普段の俺は紳士なんだ」って撮影、再撮を頼まれたって、そういうエピソードがあるんだけど(笑)おもしろい人だよね、なんかね。BLUES MANって、なんか、そういうエピソードが沢山、おもしろいよね。
先週のロバ・ジョンも“女に手を出して毒殺された”とかね、それはとっても悲しいことだけど、伝説としてはちょっとおもしろいよね。そんな訳で…あとね、ハウリン・ウルフはね、ロンドンにね…、つまりクラプトンさんとかジェフ・ベックさんが、その若い白人の連中が憧れたハウリン・ウルフが60年代にロンドンに渡った時にね、クラプトンさんはもうその時スターなんだよね、つまりロックのスターだから、城かなんかに住んじゃって、リムジンかなんかに乗ってる大スターなんだけど、ハウリンが来た時に、ハウリン・ウルフのバックでヒューバート・サムリンさんって、ちょっとマニアックな話になっちゃうけど、有名なギタリストが相棒で居たんだけど、クラプトンさんはハウリンに憧れていたんで、そのヒューバート・サムリンさんをリムジンで空港かどっかに迎えに行ったらしいね。尊敬するヒューバート・サムリンさん、ハウリンのギター、それで、自分ちかなんかに連れて行ってストラトキャスターをプレゼントしたんだって。倉庫に行ったら100本ぐらいギターがあって、その、ヒューバート・サムリン、ひっくり返りそうになっちゃって「すげえなコイツ、金持ちで」みたいな、「ハウリン・ウルフにも話してやろう」みたいな(笑)そういうエピソード。でも、クラプトン、なんかいいよね。その、なんていうか「どうぞ、僕の憧れてたハウリン・ウルフさんのギターのヒューバートさん、お好きなギターを持って行ってください」って。「どれがいいかなー、10本ぐらい持って行っちゃおうか」と思ったらしいんだけど、ストラトキャスターを確か1本貰ったって。そういうリスペクトっていうかなあ、そういう、なんか、いいですねえ。という訳で…、ハハ(笑)もう、語り出すとね、一時間くらいかかっちゃうんだよねえ。この辺で今週も曲いきます。じゃあ今週は『THREE O'CLOCK BLUES』、ハウリン・ウルフさんを聴いてください。今日はね、こんな曲を選びました。60年代のクラプトンさんを始め、みんながカヴァーしてた曲です。ハウリン・ウルフで「SPOONFUL」。また来週会おうねー。 |
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