散歩




今日はとてもいい日だナ
仕事の手を休めて 出かけようよ
商店街の先まで


今日も僕は いい気分
昼間の短い陽射しを浴びに行こうよ
街のはずれまで


君は僕に身体もたれ ムー
"きっとうまくゆくわね"
そう言いながら そう想いながら 歩いている.......
あの角を曲がろう......


君は僕に身体もたれ ムー
"きっとみんなうまくゆくわね"
そう言いながら そう想いながら 歩いている.......
あの角を曲がろう......


今日はとてもいい日だナ
仕事の手を休めて 出かけようよ
街のはずれまで........











































 
Re-Fresh



Re-Fresh!
Re-Fresh!
Re-Fresh!
Re-Fresh!

Re-Fresh!
Re-Fresh!
Re-Fresh!
Re-Fresh!
命の洗濯 命の洗濯を. . . . .

Re-Fresh!
Re-Fresh!
Re-Fresh!
Re-Fresh!
命の洗濯を たまには命の洗濯を. . . . .

ハネを伸ばそう
ハメを外そう
この素晴らしき人生に乾杯を
Re-Fresh!

Re-Fresh!
Re-Fresh!

Oh Yeah!
さあ急げ! 気分転換

命の洗濯を 命の洗濯を 
命あっての物種
だから命の洗濯を. . . . . . .

Re-Fresh!. . . . . . .
. . . . . . .
. . . . . . .











































 
Born in 新宿



俺は生まれた新宿 1950年
俺は生まれた新宿 1950年
高度成長 真只中

俺の最初の友達は バットとグローブ
俺の最初の友達は バットとグローブ
背番号3番にあこがれた 野球少年

俺のその次の友達 これが決定的
俺の二番目の友達 それが決定的
バットとグローブ捨てて手に入れたエレキ ギター


俺はさっそくバンドを組んだ 中学の頃 それで
俺はさっそくバンドを組んだ 中学3年の夏
思えばあれからずーっと俺は バンド・マン


俺は生まれた新宿 1950年
俺は生まれた新宿 1950年
高度成長 真只中 日本


俺は今も唄ってる この街 新宿で
それで 俺は今もギター弾いてる この街あの街
西暦2000年 俺はここにいる










































 
Who'll stop the rain



甘い夢ばかりも 見ちゃあいられない
くそみたいな事は 山程あるぜ
でも 見上げてみるのさ この広い夜空を
雨を止めてくれるのは どんな神様.....

おまえのことを 変わらず愛してるぜ
クソみたいな気分でも くさっちゃいない
さぁ 見上げてみよう この広い夜空を
雨を止めてくれるのは どんな神様.....


何かに押しつぶされそうな Heavy な夜もあるぜ
くそみたいな一日に すべてがぶちこわれそうさ
でも 見上げてみるのさ この広い夜空を
雨を止めてくれるのは どんな神様.....

おまえの元気な笑顔が 俺の宝物さ
くそみたいな奴等にも 笑いかけてやろう
さぁ 見上げてみろよ この夏の夜空を
雨を止めてくれるのは どんな神様.....

くそみたいな時代さ くそみたいなこの国さ
だからくそみたいなこんな俺でも 生きてゆけるぜ
さぁ 見上げてみろよ この広い夜空を
雨を止めてくれるのは どんな神様.....

さぁ 見上げてごらん 夜空の星を
雨を止めてくれるのは どんな神様.....
さぁ おまえともう一度 いい夢見よう
And I wonder, still I wonder,
Who'll stop the rain.......










































 
スケッチN.Y. '98



やんちゃそうな愉快な猫のふくれっ面が
古いビルの大きな壁に張りついてら
僕はゆるやかな陽ざし求めて
ダウン・タウン  ソーホー 小さなカフェの庭で
いっぷくふかしてる
カフェ・オーレの香りの向こう
見るもの聞くものすべて これがうわさのN.Y.

間が抜けたようなでっかいカップ・ヌードルの看板が
北風の中 西陽を浴びて はずかしそうに突っ立ってら
僕はコートの襟を立てて タイムズ・スクエア 人混みの路上
空っぽのイエロー・キャブを待ってる
行き交う人達の足早な話し声の向こう
見るもの聞くものすべて これがうわさのN.Y.

Good Time Music 聞こえてきそうな
Good Old Time Music どこからともなく
Good Old Time Music スプーン一杯の愛を
この街で.........

ジングル・ベルの化粧しだしたストリートからはみ出したホームレス
何もしゃべらない瞳で 何か語りかけようとしている
僕は足の向くままセントラル・パークぬけて
やっと来れた ダコタ・ハウスの入り口の前 記念写真に収まってる
静けさ突き破るパトカーのサイレンの向こう
見るもの聞くものすべて これがうわさのN.Y.

羽根が少し汚れてるような鳩の群れが飛んでく ハドソン・リバー
その空のずーっと先っぽに かすかに浮かんで見え隠れする
自由の女神拝みながら 僕は今渡ってくラッシュ・アワー
夕暮れのブルックリン・ブリッジ
きっと誰も何もそれほど 気にしちゃいないんだな
見るもの聞くものすべて これがうわさのN.Y.

地下鉄の階段を上がって 待ちわびた街角に飛び出せば
"スカイ・イズ・クライング "な空の下
 子供達が陽気にバスケットボール
僕はアポロ劇場背にして ハーレム125丁目の交差点
ある日のある出来事なんか ちょっと思い浮かべたりしてる

大切な日曜日の朝 きれいに着飾ったおばあちゃん
お祈りを捧げに近くの教会へ歩ってく
僕は殊の外 たくさんの観光客と一緒に
そのお祈りする姿 教会の一番後ろの席でぼんやり見物してる
きっと誰もが きっとどこでも きっといつでも
探してるんだな 自分の居場所を
雨が止んだ帰りのブロードウェイ ネオンサインの向こう
見るもの聞くものすべて これがうわさのN.Y.

Good Time Music 聞こえてきそうな
Good Old Time Music どこからともなく
Good Old Time Music スプーン一杯の愛を
この街で....... 君に 僕に.......

歩きまわって 探しまわって とうとう手に入れた
60年代製テレキャスター
見かけは少々古くてボロだが かき鳴らせば
時代を越えた とびきりの音がしそう
今僕は時が止まったような グリニッジ・ヴィレッジ ワシントン・スクエアの陽だまりで
 出来かけの新しい唄 ちょっと口ずさんで いっぷくふかしてる

見るもの聞くものすべて これがうわさのN.Y.
見るもの聞くものすべて これがうわさどおりのN.Y.
見るもの聞くものすべて これがうわさとちょっと違う N.Y.......










































 
BLUES IS ALRIGHT



早いもんで 気がつけばもう五月
遊ぶヒマも眠るヒマもないくらい
誰が悪いってわけでもないけど

貧乏ヒマなし ヒマがある時きゃ金がない
金もヒマもないとくりゃぁ 人生ろくでもない
でもだいじょうぶ ブルースでぶっとんでいる

Hey, Hey BLUES IS ALRIGHT
IT'S ALRIGHT  (IT'S ALRIGHT)
IT'S ALRIGHT  (IT'S ALRIGHT)
いつだって ALRIGHT

早いもんだぜ 今年も半年過ぎた
あとの半年 寝て暮らしたいもんだな
でも誰が悪いというわけでもない

幸せが他人のものじゃ 鼻につく
不幸せは自分のことほど 目につく
でもだいじょうぶ ブルースでぶっとんでゆく

Hey, Hey BLUES IS ALRIGHT
IT'S ALRIGHT  (IT'S ALRIGHT)
IT'S ALRIGHT  (IT'S ALRIGHT)
いつだって ALRIGHT










































 
HORIZON



複雑な事情で昔僕らは
首をたてには振れなかった訳ではなくて
単純な理由で昔僕らは
首をたてには振らなかったのです
ごらん
今もうすぐ新しい朝日が顔を覗かせるよ










































 
花園神社



合言葉は"逃げろ花園神社へ"
真夏の昼下がり、その街の緑の下は治外法権のオアシスだ。
ヤクザ予備軍のMは別件で、明治通りを池袋まで逃げてそこでとっ捕まった。
僕や二〜三人の僕達のようなけちくさい逃亡者達は、
この時点では自分が思っている程社会のほうでは気にもとめていなかった。
Y.Mはずいぶんと大人の国の住人だったのだ。
同じ穴のむじなの、違う種類のあいつ等と顔をあわせるのは絶対にいやだったから、
たまにしか行かなかったが、
歌舞伎町の大通りにあったカワイ楽器のIさんはいい人だった。
「ゴーゴーパーティがあるから来いよ。」そうさそってくれたり、
時々お店の小物をちょろまかしてくれたりした。
こういう人は絶対いい人だった。
Iさんはあまり名の知れてないグループサウンズで、
ベースを弾いていたことがある人だった。

"三峰"や"高久"は万引きのえじきの店だった。
でも僕の欲しかったのは、シャツやズボンなんかじゃなかった。
定価四万円のでかいアンプは、
そう簡単にポケットに入れるわけにはいかなかった。
真白な答案用紙は、真赤な赤点を約束して中間試験が終わった日、
Iさんにリヴォルバーを借りた。
土曜日も日曜日も一歩も外に出なかった。
街中の奴等をそれでうち殺してやりたかった。
騒乱の兆しが刻々と迫ってくる、その街の縁の下で、
僕はクソみたいな制服を秘かに自分だけのお気に入りの服に着替えた。

ある日、明治通りを挟んだ伊勢丹の向かい側のビルの地下から、
あまり見かけぬ人種の人達が、地べたを這うようにして出て来るのを見た。
のんきにふんぞり返ったその街の心臓に、
強烈な毒の一刺しをもってひと突きするような、
あの蠍に似た足取りで。
地下室や夜は、路上の家なき子達にとって、
いつ頃からか魅惑のシェルターの一つになっていく。

昼間は歴史もガールフレンドも作らなかった。
その街の縁の下でいつからか僕は、うっすらと夜に近ずく夕方を、
そろそろ遊び始めていた。










































 
 エレキ・ギター 
〜エレキ・ギター 
〜STONE




毎日毎日新宿駅で電車を降りると、その足で西口の小田急デパートのレコード売場に 寄り道した。
そして向かい側の出来たばかりの京王デパートに寄ってから、だいたいいつも東口の方へまわった。
たまに東口へぬける地上のトンネルを使ったが、普通は地下街を歩いて東口の方へ出た。
紀伊國屋や伊勢丹のレコード売場をのぞくために、そして丸井の楽器売場に寄るためにだ。
駅のそばで有名だったそのデパートは、欲しい物が月賦で買えるっていうのを知っていた。
そうだエレキ・ギターも月賦で買えるのだ。
確か五階にあったと思う楽器売場は、他の店のそれに比べたらとても小さなスペースだった。
まるで電機製品売場のおまけの様な。テスコやグヤトーンがメインだった。
エレキ・ギターのメーカーだ。国産だった。ギブソンやフェンダーは無かった。
もしあったとしても僕にはそれは唯の飾り、見る楽器だった。
買えそうな実感がもてたのはテスコやグヤトーンだった。
それにここならなんたって月賦で買うことができるのだ。
セミアコのエレキを探した。リヴァプールサウンドの多くはセミアコを使っていたからだ。
キンクスもゾンビーズもアニマルズもゼムもスペンサーデービスグループもシーギングブルージンズもマンフレットマンもそしてキースやジョージも。
テスコのセミアコを丸井のショーウインドウに見つけた。9050円という値段を覚えている。
もしかしたら定価は8000円とかで、月賦だとその値段になったのかも知れない。
誰かが買ってしまうんではないかと心配で、毎日学校をサボって通ってそのギターを見張ってた。
一ヶ月にもらってた小遣いは1000円だったから、十ヶ月がんばれば良かった。
昼食をパンにしたいんだと言って毎日のパン代を少し貯めたり、ノートや鉛筆代からまわそうと思った。
十ヶ月がんばれば良かった。見通しはバッチリだった。
だんだんそのギターが自分のものになる日が近づいてくるようで興奮した。
そしてとうとうそのテスコのセミアコを手にいれた。本当に茶色のピッカピッカのやつだった。
ボール紙のケースを抱えて新宿のめぬき通りをバス停まで歩いた。最高だった。
僕はもうキンクスだった。
さああとはアンプをどうするかだ。
それは中学三年の時はじめて手に入れた、僕の最初の意志だった。


どこかの洋服メーカーか何かの主催のコンサートだった。
エレキ・ギターコンテストのコンサートだった。
友達と行った。僕もすでにエレキ・ギターを持っていた。生演奏が観たかったのだ。
出演者は大学生のバンドがほとんどだった。
ベンチャーズやシャドウズを演るグループが多い中で、
ビートルズの "アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン"を演ったバンドが一番いかしていた。
とても上手だった。黒いシャツのベースの人がリヴァプールしていた。
満員の会場の通路につっ立って観ていると、座席に座っていた女の人が "横に座ってもいいわよ"と言ってくれた。
みゆき族みたいな人だった。
横に座らせてもらった僕は、おもいっきり窮屈な席で、その人の香水の匂いを感じてめまいがしそうだった。
コンサートどころではなくなった。
その日からエレキ・ギターのにおいはたまらなくセクシーになった。


ブライアン・ジョーンズだった。
だんぜんブライアン・ジョーンズだった。
きれいな金髪を目の真上まで見事にたらして、ストライプのスーツにコンビのシューズ。
ファイヤーバードとブルースハープでエルモア・ジェイムスしていた。
だんぜんブライアン・ジョーンズだった。
はじめて買ったストーンズのLP、デビューアルバムのジャケットは、濃いブルーの色調の中にみんながつっ立っている写真だった。
スーツ姿のメンバーの中、一人だけシャツにベスト姿、それがブライアン・ジョーンズだった。
毎週日曜日の午前十一時から、アメリカの音楽番組が放送されていた。
"ハリウッド・ア・ゴーゴー"というその番組にストーンズも出た。
うす汚れた地下室のような安っぽいセットでR&Rするミックやキースはとてもキュートでいかしてた。
でも、でもだんぜんブライアン・ジョーンズだった。ロンドン***のストーンズも、TVの中ではやっぱりアイドルの様に可愛かった。
ブライアン・ジョーンズだった。
TVカメラにあっかんべーをした奴が居た。あんな時代のそんなTVの画面の中で、あっかんべーをした奴が居た。
ブライアン・ジョーンズだった。
いかれていた。キンクスのヘアースタイルと同じくらい、いかれていた。
いかれてたのはヤードバーズ、ジェフベックの面構えとキンクス「ユー・リアーリ・ガット・ミー」と「オール・オブ・ザ・ナイト」のオーイエー。
それととブライアン・ジョーンズのかまえだった。

やがてブライアンはモロッコ、タンジーあたりを遠く彷徨って、そして居なくなってしまった。
新しいストーンズはみるみる巨大になって世界をとびまわって行った。

だんぜんブライアン・ジョーンズだった。
どこにも属さないような、ブライアンのかまえがだんぜんだった。










































 
64年型タイプライター



古い川の土手に腰かけて唯の夕方を見ていたら、
流れる景色が時間の絶壁から落ちてくのがわかった。
あんなにたくさんのヘリコプター。ムンク色の空に突っ込んで行く赤と緑の点滅。
僕はおんぼろの太陽に乗っかってここまで来たんだ。
大笑いしながら、そこいら中を大笑いしながらころがって、
そしておんぼろの太陽に乗っかって来たんだ。
カリフォルニアの真昼間で狂ってしまった様な、デブな日本に腰かけてる僕に
突っ込んでくるヘッドライトを嘗めていたんだ。
それで泣いたんだ。泣いたんだ。泣いたんだ。
嫌いになりそうだったあの人が大嫌いになりそうなその夜の入口で泣いたんだ。
やって来た友達とやって来なかった友達を暗記してから、
知らない床にころがったんだ。
早く帰りたいから、またしても早く帰ってしまいたかったから、
僕はなかば決定的なあの日の少年院的ヒロイズムから早く帰りたくて、
指の長さと覚えている事を比べたんだ。
誰にも殺られないように大好きな服を着て帰りたかったのだ。
壁越しのとなりの部屋から、たった一度きりの昨日がリフレインして、
永遠の毎日に変わろうともがいていた。
指の長さ分の、短さ分の昨日が永遠の毎日に変わろうと悶えてたから、
僕は止められる物は何も無かったのだ。
だって僕だって多分明日へ急いでいたのだから。
ビートルズなんてジョンでもポールでもどっちでも良かったんだ。
もう僕はアメーバーのハイウェイを歩くようにアクセルを踏んで帰って行く、
見知らぬエトランゼだ。
ティーンエイジャーの曲がり角へ激突せぬように、
ハンドルを握りつぶすくらい握りしめて、
見てきたものの昨日の断片を助手席に乗せて
"もうすぐ帰るから もうすぐ帰るから もうすぐ帰れるから"ってまたしても呟きながら帰って行く、
権力も支配者も国籍もないハイウェイを行くエトランゼなのだ。
億万年かかって新しい家にたどり着いた。
あのこのいつもの「お帰り」「帰ったの?」それでやっと帰ってこれたのだ。
"明日みんなに話をするから"そうメモを残してベッドにもぐり込んだ。
僕は帰ったのだった。その日本当にちゃんと帰ったのだった。
やめろよ!地球ごときのけちな思想のまな板なんぞでへらへらふざけながら
そんなに傷つけ合ったりするのは・・・・。もうやめろよ!!

少し柔らかい五月の陽差し込む部屋の中で
"何故ならば、何故ならば、何故ならば・・・・"って
永久にくり返している僕は多分、六四年型タイプライターの子供なのかもしれない。










































 
不動産屋



なんだか気持ちがふさぐ時、
そんな時は
"宇宙の華"をリゾートにどうぞ!!










































 
絵日記'98・夏



空梅雨空を通り抜けて暑い夏がそこまで、ここまで近づいて来ている。
俺にしては大きな、そして長かった仕事をひとつ終わらせて、
ここ数日間、なんだか、今まで味わったことのないような得体の知れない虚脱感の中に叩き込まれている。
焦点が定まらないようなぼんやりとした心で何をするにも気合いが入らないような、何もする気にさえならないような。
いつもならこんな時には、レコード屋とか本屋なんかをちょっと覗けば、イェーってなもんで、そんな気分は解消出来たはずなのに。
どんなマジックも今回ばかりは役立たずで、ぼんやりとしたし続けている。
来週から名古屋、大阪、福岡と仕事の旅があるっていうわけで、
今日はリハーサルでスタジオに入っているっていうのに、
全然気分が乗らない。
音を出す気にもならない。
どうやら生活と生活との何やら深い谷間にはまり込みかかっているらしい。


ああ この気怠さは
暑さのせいばかりじゃないみたい
ああ この気怠さは
暑さのせいばかりでもないみたい


参院選挙の宣伝カーが汗をびっしょりかいて街中右往左往。
俺も不在者投票などと意気込んではみるものの、
はてさて、何処の、誰の、何に、どう期待して良いのやら。
それにしても、あの女性候補者の、あのファッションと化粧のセンス、どうにかして欲しい。

こんな都会の昼下がりにもタージマハールの海が似合う。
ニーナシモンの雨が似合う。
近頃は輪郭の無いロックンロールは暑苦しくて聴く気がしない。
今朝もジョニーミッチェルに助けられた。
あとは不滅のヘンドリクスとブルースとソウルのブレンドがいつもそこにちょっとあってくれればいい。
ひとまず、ひとまずは.....それでいい。


ああ それにしてもこの気怠さは
暑さのせいばかりじゃないみたい
ああ この気怠さは
暑さのせいばかりでもないみたい


98年のウインブルドン、サンプラスが選手だ。
彼はアメリカのテニスファンが嫌いだという。
リップサービスやパフォーマンスの少ない彼はアメリカではいまひとつ人気が無いらしい。
その点、英国のテニスファンはテニス自体を評価してくれるという。
その日から俺はちょっと、サンプラスのファンになった。

ラニーニャ現象、ラニーニャ現象。
少し珍しい言葉をある日の夕刊に見つけた。
ラニーニャ現象、ラニーニャ現象。
赤道付近の西向き貿易風が強く南米ペルー沖の海面温度が平年より下がることをラニーニャ現象というらしい。
もう一度言うと、赤道付近の西向き貿易風が強く南米ペルー沖の海面温度が平年より下がることをラニーニャ現象というらしい。
統計によるとその時日本では梅雨入りと梅雨明けが早まり、秋から冬にかけて気温が低くなるらしい。
ラニーニャ現象。
ラニーニャとはスペイン語で"女の子"という意味だそうだ。
なんだかこんな話がいい。
なんだかこんな話が今とてもいい。


ああ それにしてもこの気怠さは
暑さのせいばかりじゃないみたい
ああ この気怠さは
暑さのせいばかりでもないらしい


ある雑誌にコメントを頼まれた。
いろんな分野の人達の"どうしたらその職業に就けるか"という短いコメントを集めているらしい。
つまり、俺なら、どうしたらミュージシャンになれるかというコメントを頼まれた訳だ。
そんな事をひとことふたことで言える訳もありゃしないし、
第一、だいたいそんな事を聞こうとしているヤツはミュージシャンなんてものになれるわけないってもんだ。
何だってそうだろう。
サッカーはサッカーボールを蹴らなければ決してゴールには入らないということだ。何だって同じだ。
考える前に、考える前にギターを手にして唄えということだ。
スティックを手にしてドラムを叩けということだ。
サッカーボールを蹴飛ばせということだ。


ああ それにしてもこの気怠さは
暑さのせいばかりでもないらしい
ああ この気怠さは
暑さのせいばかりでもないみたい


それぞれの家は涼しさを求めてエアコンをギンギンにかけ始める。
おかげで、表通りも裏通りも吐き出された熱風でうだりまくってる。
昔に比べて街の温度は、確実に何十度も上がっている。
自分の幸せや心地よさの確保がみんな第一なのだから。
もちろん、俺だってそうだから。
ギンギンにエアコンをかけまくって、熱帯夜をどうにか、こうにか快適に過ごしてるってわけだ。
そして俺は、見事に、まんまと夏風邪をひいた。
科学的なそよ風を浴びたせいか、鼻水や熱や咳、足腰の痛みといった症状だけとはちょっと違うような、
なにか科学的な風邪をひいた。
思えば20世紀の夏は今年を入れればあと2回きりだ。
今年の夏は今年だけ。
21世紀の小学生達は夏休みの絵日記をどんな風に描くのだろう。
21世紀の小学生達は夏休みの宿題に絵日記に何をどんな風に描くのだろう。
ちょっと、覗いてみたい気もするし、覗いてみたくない気もする。

冷たい麦茶を飲んだお前、さあ、明日からはまた、ギターぶら下げて、
唄なんぞ唄う仕事の旅だ。
俺も、考える前に唄い出さねば。
ギターかき鳴らして俺も、考える前に唄い出さねば。
今年の夏は今年だけだ。
俺も何やら考える前に唄い出さねば。
唄い出さねば.....
さあ、暑い夏が来るぞ。


ああ それにしてもこの気怠さは
暑さのせいばかりでもないらしい
ああ この気怠さは
暑さのせいばかりでもないらしい

ああ この気怠さは
暑さのせいばかりでもないらしい
ああ この気怠さは
この暑さのせいばかりでもないらしい