花言葉 スイトピーをあげるよ ライラックと一緒に やさしかった君にあげるよ ほんとは虞美人<ぐびじん>草とか 福寿草って思ったけれど 悲しくなるからやめた 僕はあまり高いもの買えない だから ステキなもの探したんだ ぼくがみつけた花言葉 心をこめて 贈るよ スイトピーにライラックを さくら草もそえて さよならする君にあげるよ 僕はあまり高いもの買えない だから ステキなもの探したんだ ぼくがみつけた花言葉 心をこめて 贈るよ スイトピーにライラックを さくら草もそえて さよならする君にあげるよ 大雪のあとで 十年ぶりの大雪が積もって 僕の身体<からだ>はすぽっりと埋もれた 十年ぶりに降り積もった 真白な暗闇の中で 僕の笑いや 僕の涙や 僕の嘘まで 十年ぶりの大雪が積もって 僕の身体<からだ>はすぽっりと埋もれた 僕の笑いや 僕の涙や 僕の嘘まで 十年ぶりの大雪が溶けて 僕の身体<からだ>はどこかへ流れた ごろ寝 昼間からたたみの上で ほらごろ寝 ほらね ひとつふたつ寝がえりをうち ほらごろ寝 ほらね うずうずしても 始まらないのと ひとりごと ひとりごと 昼間から眠くはないけど ほらごろ寝 ほらね うずうずしても 始まらないのと ひとりごと ひとりごと 昼間からたたみの上で ほらごろ寝 ほらね ひとつふたつ寝がえりをうち ほらごろ寝 ほらね ろくでなし 仕方がないから 近所をぶらり たばこを買って戻り あとは手もちぶさたの一人きり ろくでなし 何もやる事なし ろくでなし 何もやる事なし やる気なし 仕方がないから 飯にして テレビのドラマを気晴らしに あとは手もちぶさたの一人きり 仕方がないから ふとんにもぐり 読みかけの本をパラリ あとは手もちぶさたの一人きり ろくでなし 何もやる事なし ろくでなし 何もやる事なし やる気なし インスタントラ−メン インスタントラ−メン もう食べあきた インスタントコ−ヒ− もう飲みあきた 誰か来て なんか作って とっても 温かなものね インスタントラ−メン もう食べあきた インスタントコ−ヒ− もう飲みあきた おもてに 食べに行くのも 何となく めんどくさいの だから インスタントラ−メン 何とかなれ やせがまんばかりで もう半年過ぎたが 何が変ったか 誰を愛したか 頭の中で今夢がくずれだした 何とかなれ やぶれかぶればかりで もう半年過ぎたが 何が変ったか 誰を愛せたか 頭の中で今夢がくずれだした 何とかなれ 何とかなれ 待ちぼうけ たばこ一本 たばこ二本 待ちぼうけ ああ誰も来ない お茶を一杯 お茶を二杯 茶柱でもたてばと でも誰も来ない 誰でもいいわけじゃないが 誰でもいいわけじゃないが 僕は待ってます 電話の前であぐらかいて 誰かに手紙書いても やっぱり誰も来ない 誰でもいいわけじゃないが 誰でもいいわけじゃないが 僕は待ってます たばこ一本 たばこ二本 待ちぼうけ ああ誰も来ない 通り雨 通り雨に降られて あの娘<こ>にふらふられて チョッピリいい気持ち 通り雨にさらされて あの娘<こ>にさら去られて チョッピリいい気持ち でも終っちまったのさ そう終っちまったのさ ただ濡れただけの事さ 通り雨に降られて あの娘<こ>にふらふられて チョッピリいい気持ち さなえちゃん 大学ノ−トの裏表紙に さなえちゃんを描いたの 一日中かかって いっしょうけんめい描いたの でも鉛筆で描いたから いつのまにか消えたの 大学ノ−トの裏表紙の さなえちゃんが消えたの もう会えないの もう会えないの 二度と会えないの......。 退屈 退屈しのぎに 他人のうわさじゃ 退屈すぎるよ 退屈しのぎに 独<ひと>りぽっちの散歩じゃ 退屈すぎるよ 暖かすぎる冬の日 ごろんと横になって きみの事考えたら きみも退屈みたい 遠くの空をながめ ちっちゃな飛行機みつけて あれ、落ちたらいいな! 暖かすぎる冬の日 冬の夜 寝しなに一杯 酒をひっかけて ぐっすり眠れますヨオニと 夜明けを前に蒲団を蹴飛ばして 風邪をひかないヨオニと冬の夜 一から数をかぞえ始めて 早く眠れますヨオニと 寒いな寒いな凍え死にそう 風呂で暖まりますヨオニと冬の夜 夏の夜が恋しい 夏の夜が恋しい 夏の夜のむし暑さが 待ち遠しい ひなたぼっこ 俺んちはアパ−トの二階です ベランダに椅子を出して ひなたぼっこをします それで今日が終ります 末っ子はいつもお古を着て 部屋の隅にしゃがんでました そんな記憶があります 夕方になるのを待って かんからを蹴飛ばしてみました そんな記憶があります 清志君達もこの頃は 顔をみせなくなりました そんな日が続きます 俺んちはアパ−トの二階です ベランダに椅子を出して ひなたぼっこをします それで今日が終りました 抒情詩 抒情詩傘に雨の街へ 通り過ぎる人の後ろ姿 僕は独り 雨宿り ポツリとひとつ瞼<まぶた>を隠し 濡れてはなるかと駆け抜ける 僕は独り 雨宿り それでも外へそれでも外へ 僕の部屋から 知らぬ顔ばかりの悔やしさに 溜息ばかりの薄情け 僕は独り 雨宿り それでも外へそれでも外へ 僕の部屋から 抒情詩傘に雨の街へ 通り過ぎる人の後ろ姿 僕は独り 雨宿り ねむけざまし ねむけざましに せめてコーヒー一杯 欲しいな 憂さ晴らしに 醒めた君一人抱けたらな 春は僕をおいてまた何処<どこ>かへ 春は僕をおいてまた何処<どこ>かへ消えてしまう …………… …………… …………… 終わりです あびた酒でホロリ酔って 酔った心で誰かを想う 想うだけで終わり 終わりです やりたい事をやり残して 明日こそはとまた思います 思うだけで終わり 終わりです それはそれとしていいとしても 気にしないではいられない ばかとりこうじゃばかがりこうさ そう思わなけりゃやりきれない 思うだけで終わり 終わりです 夕立ち 逃げ出したい夏は 逃げ出したい夏は 夕立ちを待って 君を待って また眠れない 逃げ出したい夏は...... 逃げ出せない夏は...... 陽かげを追いかけて 君を追いかけて また見つからない 逃げ出したい夏は...... 逃げ出したい夏は...... 逃げ出せない 夏...... 夏...... ポスタ−カラ− こんな小さなポスタ−カラ−で 何を描こうか 君の事を想い出して描いてみます 黒い下駄をひっかけて カランコロン カランコロンって 君はいつも僕を想っていたでしょ オレンジジュ−ス飲みたいわ 私 白が似合うでしょ 噴水の水はいつもきれいすぎるわ 紅茶にしますか ミルクはどうしますか 今日は畳替えの日なの だから外で会いましょうね テニスコ−トを眺め 君は僕に抱かれたでしょ また終っちゃうのね 嫌な夏がって 君は窓を拭きながら言っていたでしょう 三月か四月の初めには 私 帰りますよ 気が向いた時でいいから 手紙かいてね 紅茶にしますか ミルクはどうしますか こんな小さなポスタ−カラ−で 君を想い出しました バスケットシュ−ズ バスケットシュ−ズが 泥んこになったら もしかしていい事があるかも知れない バスケットシュ−ズが 泥色になったら もしかしてあの娘<こ>に会えるかも知れない 汽車の中はいつも退屈なんだ 何処<どこ>へ行ってもいつも退屈なんだ あくびがいっぱい あくびがいっぱい 涙がこぼれた うわの空 ぼんやりの心に 和<やわ>らかな外景色 包み込む暖かさに 肩を竦<すく>めながら 堪<たま>り兼ねた心細さも うわの空へ 俯<うつむ>きの身体に 浮かれ出た街景色 君が残した優しさが 僕を掠<かす>めながら 残り過ぎた思い出さえも うわの空へ あの街は春 ガソリン・スタンドのあの女の 無愛想気にしながら 僕はあの娘<こ>が通るのを待ってた あの街はもう春 降り出した雨の中で 感じ悪いタクシ− よろけよけながら 僕はあの娘<こ>が通るの待ってた あの街はもう春 梅が散ったら桜が咲いたら それだけの事で僕の街も 暖くなってくれればいい それだけの事で ガ−ドレ−ルに半分腰かけて 手紙を破きながら 僕はあの娘<こ>が通るのを待ってた あの街はもう春 ガソリン・スタンドのあの女の 無愛想気にしながら 僕はあの娘<こ>が通るのを待ってた あの街はもう春 あの街だけ春...... 冥土町 春...... らびん・すぷーんふる 溶け出した 曇り空 みつけられた朝は 君を連れて 出かけて 行きます 拡がってく 青い空 くぐりぬけられたら 僕は君を抱いて行きます もう誰にも会わずに ここから何処<どこ>へ何処<どこ>へと出かけ 蹴飛ばした小石が 飛んでく空は はしゃいだ君を 吸い込みます ねぼけたままの君は 僕を頼り過ぎて 時々はつまずきます もう誰にも会わずに ここから何処<どこ>へ何処<どこ>へと出かけ 溶け出した 曇り空 みつけられた朝は 君を連れて 出かけて 行きます 拡がってく 青い空 くぐりぬけられたら 僕は君を抱いて行きます もう誰にも会わずに ここから何処<どこ>へ何処<どこ>へと出かけ おいてきぼり からっ風 大きく 春一番 街はまた模様替え 癪<しゃく>の種は 右に左に 僕は また腹立てる 君がもどったと喜べば そらみたまた他人の空似 夢見心地で見た夢じゃ このまま夢のまま とけ込めないのか とけ込まないのか 僕はまだ生活をみつけられない ゆるせないのか ゆるさないのか 流れる 流される とんぼ返しの街と部屋 したい放題すれ違う 家には戻れない 恥はかけない 意地ばかりの 意気地無し 情け知らずで 縁切られ 受けた恩を 仇返す 損得ぬきでは つながれません 絆はとうに切れてます とけ込めないのか とけ込まないのか 僕はまだ生活をみつけられない ゆるせないのか ゆるさないのか 流れる 流される からっ風 大きく 春一番 街はまた模様替え コーヒーサイフォン コーヒーサイフォン 僕らの部屋は すてきな香りで 満たされた 電車が遅れて僕は 君を待たせてしまった なつかしい駅前の通りは 女学生でいっぱいさ 今日も 電話のベルが鳴ってる 表の道は 人だかり 君のあの娘<こ>が 好きだった いい うた だね 煙草とコーヒー 久し振りだけど ゆっくりはできないけど 君この頃どうだい 電話のベルが鳴るから 僕らの話は始まらない 煙草を吸い過ぎた窓に もう陽が落ちてく 今日も 久し振りだけど ゆっくりはできないけど 君この頃どうだい 電車が遅れて僕は 君を待たせてしまった なつかしい駅前の通りは 女学生でいっぱいさ 今日も コーヒーサイフォン みんな行ってしまうね 僕らは何処<どこ>へ 行けばいいの...... コーヒーサイフォン...... 僕らの部屋は...... コーヒーサイフォン...... びしょぬれワルツ 雨降り模様は傘<こうもり>咲かせ 某<なにがし>坂をひた走る 信濃町まで足は延び 二人会えれば ランデブー 空<から>梅雨空には傘<こうもり>閉じて 野球見物 楽しめば 小石川から肩寄せて 二人歩けば ランデブー 雨のち曇りは傘<こうもり>抱え ロードショーの帰り道 流れる人は銀座へと つられて二人も ランデブー 雨降り模様は傘<こうもり>咲かせ 某<なにがし>坂をひた走る 信濃町まで 足は延び 二人会えれば ランデブー Night together 眠ったふりをして 片目をあけてみると 机の上の君の写真は 笑ってるだけ 笑ってるだけ 眠れない夜は 両目を閉じると まぶたの中の君の顔は 笑ってるだけ 笑ってるだけ Night together いつも Night together いつも 二人は離れない 二人は離れない 讃美歌 国道246は今日も車がいっぱい タバコをくわえながら 僕は白塗りの自転車をとばす 新しいシャツと新しい運動靴と新しい野球帽を買って 僕は自転車をとばす キラ−通りを抜けて多摩川通りを渋谷まで 真夏の怒り狂った街を通り抜けて 僕は自転車をとばす いつのまにかだんだんまわりが見えなくなって 街も車も人もビルディングも電信柱も 犬とか猫とか花とかだんだん見えなくなって 僕は一つだけ残された道をゆっくり進む だんだん速く僕は新しい自転車をとばす そして僕に関わってくる全てのものをとばしたい 僕をこの世に送り出した父や母や 小学校の時の川口先生や僕の楽しかった頃の思い出は 幼なじみ かずおちゃんやかっちゃんや ちえこちゃん関口君をとばしたい もしも男と女のことが全てだったならば もしも男と女のことが全てだったら 僕はあの娘<こ>のことで終っちまう 僕の全てはあの娘<こ>のことで終っちゃっても構わない 渋谷は道玄坂クリスマス模様の 歩行者天国に消えていった 君の後ろ姿を見送った 僕が流した涙は何処<どこ>へいったんだ 君が東京駅まで送りに来て天井桟敷 大阪公演 島ノ内小劇場で流した 僕の涙は何処<どこ>へいったんだよ 一ケ月何も出来なくて家に閉じこもって ずっと我慢してた 僕の空白はどうしたんだよ 野球の選手になりたくて 野球の選手になれなかった僕は何処<どこ>へ行ったんだよ 男と女のことが全てだったら 僕はあの娘<こ>のことで終ったって構わない 君に唄ってあげた 花言葉の唄は もう唄えないよ もうずっと昔の事じゃないか 君と別れたことは悲しいけど それより そのことが遠くにいっちゃう事が悲しいんだよ いつも僕が情けなくてさ いつも僕が情けなくてもさ 君だって随分意地悪だったじゃないか 男と女のことが全てだったら 僕の全てはあの娘<こ>のことで終っちまう あの娘<こ>のことで終っちゃったって構わないんだから 社会にとって個人なんてどうでもいいって言ってた 君の頬をぶん殴れなかった僕の涙は何処<どこ>へいったんだよ 御茶の水の坂を上がって中央線信濃町で降りて 絵画館前でランデブー テニスコートの前で座って 白いボ−ル綺麗ね 高級洋菓子店 中二階 待合室 すももを一つポケットから これ私だと想って持っててよ 私 3月か4月の初めには国へ帰ります 気が向いた時でいいから手紙書いてね 男と女のことが全てだったら 男と女のことが全てであったら 僕の全てはあの娘<こ>のことで終ったって構わないさ だんだん明るくなって だんだん明るくなって 人とか道路とか木とか花とかみんな見えてきて 国道246を僕は自転車をとばす もうすぐ帰れるから もうすぐ帰るから もうすぐ帰るからね もうすぐ帰れるはずだから もうすぐ帰るよ もうすぐ帰れる もうすぐ帰るよ もうすぐ帰れる もうすぐ帰れるからね もうじきだから もうすぐ帰れるから もうすぐだから もうすぐ帰れるから ぼくが三途<三途>の川を渡るとき 大きなバケツに綺麗な水をいっぱいくんで 空からにわか雨にして降らすんだ そしたらみんな ありがとう ありがとうって そしたらみんな嬉しそうに ちぎれるくらい手を振って ありがとう ありがとうって こんなとこまでひきずってきた 僕のちっぽけな思い出の中には いつまでたっても 君や君の街の匂いがいっぱいで きっとそれもいつか にわか雨に溶かされて小さく降っていくんです そしたらぼくは何処<どこ>まで行っても汚れることのない 雨の中を やっとのことで僕に戻れた 僕の身体<からだ>を 思いっきり弾ませて 一番素敵な所まで 一番素敵な所まで 一番嬉しそうな顔して そしたら みんな よかったね よかったねって そしたらみんな よかったね よかったねって… こんなところまでひきずってきた君や 君の街の匂いもいっぱいで ずっと… 妹をもらわなかった僕の家や ちっとも変わらないあの娘<こ>や もらいっこはもらいっこのままで ずっと… 僕に関わるものを全てとばしたい 僕に関わってきた全てのものをとばしたい 僕に関わるものを全てとばしたい 僕に関わってきた全てのものをとばしたい 男と女のことが全てだったら 僕の全ては君のことで終っても構わない 僕の全ては君のことで終わっても構わない 天井桟敷 大阪公演 島ノ内小劇場で流した 僕の涙は何処<どこ>へいっちまったんだよ 渋谷は道玄坂のクリスマス模様の歩行者天国で 君の後ろ姿を 追いかけて 追いつけなかった時 流した僕の涙は何処<どこ>へいっちまったんだよ… もう帰らないよ…… また行くから…… ずっと…… おやすみ おやすみ あとは 眠りの中へ おやすみ 全部 眠りの中へ 僕を思い出して さよなら あとは 眠りの中へ さよなら 全部 眠りの中へ 僕を忘れないで‥‥ うそつき 君はいつも うつむいてばかり 抱かれていたかったくせに 僕は 肩すかされ それでいつもうずうず 君がいたずらに弾いてた ピアノの音が離れない 今も 君は いつもつまんなそうに 誘われたかったくせに 僕が喋べり始めると アメリカに行きたいとか 気のない返事 僕は 肩すかされ それでいつもうずうず 君は いつもわがままばかり 甘えていたかったくせに 僕が許しはじめると 別に寒くないとか 気のない返事 僕は また肩すかされ それでいつもうずうず 君がいたずらに弾いてた ピアノの音が離れない 今も 君はいつも うつむいてばかり 抱かれていたかったくせに 僕が腕を絡ますとお茶がさめるとか 気のない返事 僕はいつも肩すかされ それでうずうず ひなまつり さくらの花びら 風吹<ふぶ>いて ひなの祭り 来ても 祝う娘はどこにいる 年中行事にしばられて 今年もまた あくせく あくせく 暦の上に秋立ちて 二百の十日 来ても 出会う人に会えぬまま 年中行事にしばられて 今年もまた あくせく あくせく あいつらとはもう話せないはず あいつらとはもう話さないはず 春たけなわ 春たけなわ 辺<あた>り一面花香る 夢は七分咲きのまま 咲き乱れ うながされた話は 全部鵜<う>呑み 丸呑み かなわぬ願いは 高望み 雲流れりゃ 辺<あた>り一面上機嫌 わだかまり除かれ時は刻まれ 沈み行く街に興味津々興味津々 人気のない街へと 一目散 風向き変わりゃ 辺り一面うららか 救いのない悲しさも中途半端 語り合う言葉はいつもから 空回る 語り合わぬ胸の内は 腹を探る 沈み行く街に興味津々興味津々 人気のない街へと 一目散 愛した心が全部しぼんだならば しるしをつけられた愛とも これでおさらば 春たけなわ 辺<あた>り一面花香る 夢は七分咲きのまま 咲き乱れ セントルイス・ブルース 港の灯りは 全部 落ちた あの娘<こ>は今頃 あいつの腕の中 セントルイス・ブルースを いつもの店でさ 港の灯りは 全部 落ちた ふられた気持ちで裏通り セントルイス・ブルースを いつもの店でさ 奴はどこの奴さ 奴はどこの奴さ あの娘<こ>をさらってっちまう あの娘<こ>は明日港を出てっちまう セントルイス・ブルースを いつもの店でさ 港の灯りは 全部 落ちた あの娘<こ>は今頃 あいつの腕の中 セントルイス・ブルースを いつもの店でさ 早く帰りたい 帰りの車は 軒並み立ち往生 とんでもない事情で 話はふり出しに 早く帰りたい 早く帰りたい 早く帰りたい 帰りの車は 軒並み立ち往生 一方的な都合で 約束は物別れ 早く帰りたい 早く帰りたい 早く帰りたい 今日から僕らは友達でもなんでもない 今日から僕らは恋人でもなんでもない 今日から僕らは友達でもなんでもない 帰りの車は 軒並み立ち往生 とんでもない事情で 話はふり出しに 早く帰りたい 早く帰りたい 早く帰りたい ラブソング おばさん 朝から日傘で 歩道橋の上でひまつぶし あの娘<こ> 二階の窓で ひと雨と僕を待ってる ゆうべ泣いてたのどうして ゆうべ泣いてたのどうして 湘南電車汗かき 海辺の街へくり出す あの娘<こ> 前髪そろえて 夕暮れと僕を見てる ゆうべ帰らなかったのどうして ゆうべ帰らなかったのどうして 君がいつもさみしくならぬように 君がいつも心動かぬように 僕から100パーセントの愛を 君に 僕から100パーセントの愛を おばさん 日傘あきらめて 一人とぼとぼ帰る あの娘<こ>と僕と二人ぼっちで 街中の神社で夏祭り ゆうべどこで踊ってたの ゆうべ誰と踊ってたの・・・ ゆうべのことはもういいから ゆうべのことはもういいから 君がいつもさみしくならぬように 君がいつも心動かぬように 僕から100パーセントの愛を 君に 僕から100パーセントの愛を 愛を 愛を 少年 海辺の街に住んでいるのに 少年はいまだかつて 海鳴りの音を 一度も聴いたことがない 冬が流れます 雪溶け水に 飛べない僕が 青空に塗り込められる 冬が帰ります 足跡つけて 灰色の嘘が 青空に塗り込められる どうだか知らぬが どうだか知らぬが こうなったんです こうなったんです 冬が止<や>みます 景色の中で 鳴らない指笛が 青空に塗り込められる 冬が死にます 音色の中で 二人の夜が 青空に塗り込められる どうだか知らぬが どうだか知らぬが こうなったんです こうなったんです 熊野神社を通って 新しいアパートに越して来ました 周りにつられて 僕も少し変わって 見つけた柿の実も ほんの少し揺れてくれてます 乞食も逃げだす 秋の空の下 汚れた身体<からだ>で めかしこんだ僕は きのうと同じあの街へ出かけて行きます 僕はずっと前から 外を見てたはずなのに 天気予報どうりの雨が降る中 こうもり傘わざと忘れた僕は となり近所にとけ込めそうもないんです 僕はずっと前から 外を見てたはずなのに きっと僕はいつも嘘をついていたんです きっと僕はいつも嘘をついていくんです 寝たきりの年寄りに秋を感じた僕は 消し忘れた煙草の残り火ばかり気にします 新しいアパートに越して来ました 周りにつられて僕も少し変わって 見つけた柿の実も ほんの少し揺れてくれます きまぐれラプソディー しみついたぜいたくは 鼻もちならぬ ならぬ ぜいたくで とどのつまり 行きどまり 街をめぐって夜もすがら 骨折り損の 損の 無駄骨は 期待はずれで泣きをみる うまく行きそうな 兆しならあるのだが うまく逃げられそうな 兆しならあるのだが 気まぐれる悲しさは 鼻もちならぬ ならぬ 悲しさで 他人の胸には お笑い草 うまく行きそうな 兆しならあるのだが うまく逃げられそうな 兆しならあるのだが しみついたぜいたくは 鼻もちならぬ ならぬ ぜいたくで とどのつまり 行きどまり 四季の詩 街は日増しに華やかさを増し 楽しめるムードには事欠かぬが 言葉のたくみさが幅きかせ 信じ難いムードにも事欠かぬ ひと春ごとに めぐりめぐる季節は果てしなく たくす望みは底知れぬが 悩みの種はばらまかれ 底知れぬ望みは底をつく ひと夏ごとに 三年や四年そこいらの思い出にすがりつき 三年や四年そこいらの見通しにすがりつく ここぞとばかりに帆をあげて 力の限り進めども 中途半端はまぬがれず 日々の暮らしに気をとめる ひと秋ごとに 自国の空に見切りつけ 他国の空を仰げども 自国の空に舞い戻り また 他国の空を羨<うらや>む ひと冬ごとに 街は日増しに華やかさを増し 楽しめるムードには事欠かぬが 街は日増しにうるおいを欠き コンクリートの冷たさにも事欠かぬ めぐりめぐる季節に 三年や四年そこいらの思い出にすがりつき 三年や四年そこいらの見通しにすがりつく 年の瀬 しまい忘れた 風鈴がひとつ 冬の中で泣いてます 今年も暮れるんです 短かすぎた この春や 悔しすぎた 夏が終りました 今年も暮れるんです これ以上 やせないように これ以上 減らないように これ以上 しゃべりすぎないように ジングルベルで 気がついて あの人達に手紙を書きます 今年も暮れるんです これ以上 やせないように これ以上 減らないように これ以上 しゃべりすぎないように ローリング・ストーンズが鳴ってた 小雨に煙る 寒い日だった 僕は君が とても欲しくて 海辺へ向けて ドライブ 君を乗せて ドライブ ローリング・ストーンズが鳴ってた ガラス窓の景色がとんでいく 熱く長い時が流れる 雨をついてドライブ 愛したくてドライブ とばしすぎると君はふるえてた どんな風に 愛したらいいのか どんな風に 愛せばいいのか わからないまま ここへ来た ローリング・ストーンズが鳴ってた 海辺の町で陽が落ちた 僕は最後の煙草をふかす 人目をさけてドライブ 車止めて君にアタック 泣きだす君の手を 握りしめてた どんな風に 愛したらいいのか どんな風に 愛せばいいのか わからないまま ここへ来た ローリング・ストーンズが鳴ってた ローリング・ストーンズが鳴ってた |